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1963年


昭和38年 幼稚園。
もっと小さな頃から、同い年の、コーチャンと、よく遊ぶ。
コーチャン家の、広い畑の中を、一緒に踏み荒らしながら。
塀とか門とか無いような、開放的な家ばかりだったので、平気で、人の家の敷地の中へ入り込んで遊んでいた。
特に、文句も言われた記憶も無い。
毎日、土だらけ、汗まみれで。
そんな子供達であふれていたような、子供にとっては、いい時代だった。
そこら中に、子供たちがいっぱい、遊んでいた。

一人のときは、「ニラムシ釣り」ばかりしていた。
「ニラムシ」とは、「ハンミョウ(斑猫)」という、夏に庭などで忙しく飛んでいる、小さな虫の、幼虫。
地面に、1ミリ位のまあるい穴が空いている、その中にもぐっている。
その穴に、韮の細いのとか輪ゴムを切ったのを差し込むと、咥えて外へ出そうと押し返してくる。
タイミングよく引っ張ると、「釣れる」。
畑の道なんかには、数えきれない数の穴があいていて、次々に釣り上げては、空き缶に。
無邪気な子供のしたこととは言え、そんな感じで、何百何千匹ものニラムシの命を、奪ってしまいました。
そのことへの、贖罪、の気持ちで、「韮虫」と名乗っております。。。

あるとき、もうすこし小さい時だったか、一人で近所の家の庭にもぐり込んだところ、家の人が出てきました。
なんか、穏やかに、話をしたのは覚えています。
だっこされたのも、覚えています。
・・・あの、松本清張さん、でした。。。

 

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