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1983年


昭和58年
この頃だったか、さだかではない。
芸大構内に、「陳列館」という、所蔵作品などを展示する、小さな美術館があります。
ある日、ふと、立ち寄ってみました。
何の展示だったか覚えていないけど、そこの受付というか、監視スペースに目をやりました。
そこに、腰掛けていた、女の人。
僕の、小学校1年生の担任だった、安田先生ではありませんか。。。
6年の日光修学旅行でも、担任の代わりに同行してくれた、優しい先生。
僕のことを、友達が呼んでいたのと同じ、「にいちゃん」って呼んで、親しくしてくれた先生。
懐かしかった。
いっきに10数年前の、幼くちいさく純朴な「にいちゃん」に戻った気分。
10数年経ってはいたけど、確かにそうです。
静かに、本に目を落としておられました。
退職後、たぶんパートで働いていたらしい。。。
せめて、目でも合えば声をかけることが出来たのに。
その場の雰囲気にも圧され、躊躇し、またの日にしようと、帰ってしまいました。
別の日、帰るところを見かけたこともあります。
わざわざ駆け寄って、挨拶する勇気が、ありませんでした。
何となく、鬱々とした気分の日々でしたから。
それ以来、お見かけすることも、無くなってしまいました。。。
今でも、残念でなりません。
情けなくて、悲しくなります。

 

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