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2015-Den − Concept

・・・いきさつ、的な、こと・・・

・・・・・・

・・・いまさらで、わかりきったことだけど、アーティストの言葉なんてものは、もっともらしく見えても、
全く取るに足らないものばかり。
作品から読み取れるものだけで、いいじゃないか。
説明すればするほど、作品を、矮小化してしまうし。
黙っているに、限る。。。

そういったことも、鑑賞者は、薄々わかっているわけだけれども、お決まりのように、作者の言葉を、
欲しがる、要求する。
言葉を、文字を見れば、何となく、わかったような気分がして、安心する。
まあ、何かと、不安な状態でほうっておかれている現代人-特に若者に、ともかく安心を与える
ことは、いいことなんでしょうねぇ?
または、作者に説明させることで、アーティストとかいってかっこ付けている奴らが、たわいもなく
陳腐で中身の無い人間だということを暴露させ、思いっきり卑下してやろうという思惑もあるのでは
ないか、と、疑ってみたりもする。

それと、こんなところに、つまらない言葉を書き連ねてみたところで、ちゃんと読む人など、ほとんど
いないのだろうけどね。
だから、ぼくも、思いつきで、適当なことをだらだら書いておこう、というわけ。
どうせだれも読むはずも無いのだから、まあ、自分の、いまの、覚え書きといった感じで。


・・・偶然、が、始まり、だと思う。

「対称性の破れ」から、この宇宙全ての、さまざま、生まれてきた。
ちっぽけな自分の観念、とか、入り込まない方がいい。

自分=作者は、作業者に徹する。
純白に輝く、正方形のスチレンペーパー。
破る。。。(破るのは、楽しい。)
正方形を、破って、ちぎって、不定形の多くの破片に、分ける。
その破片を、まとめて宙に投げあげ、混ぜておく。
山のように積んだ絵の具のチューブから、目をつぶって触れたやつを手に取り、表か裏か
わからない破片の、片面に適当にベタベタ塗っていく。
全部のピースが乾いたら、パズルの要領で正方形に戻す。

展示の際、四辺のどの方向を上にするかも、決めない。。。
多くの偶然の固まり。
何も無いところから、中空から、異次元から、ひょっこり出てくる落ちてくるもしくはにじみ出てくる、
モノ、かたち、組み合わせ。


・・・それが、理想だろうな。
しかし、特にこころのちっぽけな自分には、それでもって良しとするだけの、寛大さを勇気を、未だ、
持つことができない。
いつかは、それができるような、おおっきな人間になりたいものだけどねえ。。。

そこで、ちっぽけな自分は、そのちっぽけな感性に基づき、手を加え始めることになる。
上下を、何となく落ち着く感じに決める、とか。
目立ちすぎる色面を、上から色を重ねたりして、なんとか全体のバランスをとろうと、試みる。
などなど、偶然にできあがった状態と、じぶんの感性との、ゆるいせめぎ合いが始まる。
どこまで、自分の感性を加えてよいものか。
どこで、どのセンで、妥協するか。 受け入れられるか。
もどかしいながらも、常に決断を迫られながらの、作業。
ワルアガキ!

そのわるあがきの中で、この「青」が登場することになった。
この「青」色、既製品である。 リキテックスレギュラーの、「ブリリアントブルー」。
その名前の印象とは全く異なる、特別な印象、を持った「青」。
「青」でありながら、たとえば、「空」も「水」も「海」も「感情のブルー」も連想させない「青」だと、
ぼくは、感じた。
ニュートラル。
「青色」という名前ではあっても、この自分のちっぽけな観念に、まったくうったえかけない「青」。
「色」を持たない「青」、と言ってしまっても、よい。
「黒」でもあり、「白」でもあり、みたいな。 (でもまあ、赤や黄色には思えはしないけど)
からっぽの「空(くう)」でもあり、全てのものを含む「混沌」でもあるような。

・・・物理や宇宙論での、「対称性の破れ」の「対称性」とは、強固で不変なもの、それは、無秩序で
混沌、もしくは「空(くう)」とか「無」ということにもなるだろう。
それは、このニュートラルな「青」ともいえる、と、ここではしておこう。
そこに「破れ」「揺らぎ」が生じて、この宇宙の全ての「もの」や「力」が形成されてきた。
と、量子物理学では、説明されているらしい、が、所詮、とりあえずのこじつけの連続でなんとか
論理的破綻を縫い合わせてきたような学問分野なので、その理屈にしても、強固で「不変」では
ありえず、またなにがしかの「破綻」が生じ、あらたなこじつけが必要になってくるのだろうが。。。

偶然性も、なにがしかの、わずかな揺らぎ・破れが発端になって、にじみ出てくるものだろう。
偶然生まれたカタチ、色、隣り合わせ、関係性。
それを、とりあえず、受け入れる、許す、愛でる、いとおしむ。
または、反感を持つ、イライラする、どうにも心地よくない、嫌悪する。
・・・どういう感情が生じるにしても、そこに、生まれてきて、そこに、ある。
・・・生まれてきたからには、そこに、ある。

201509 niramusi

 

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