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2016 - Cafe Gallery 3

2016年 8月9日〜14日

高円寺 Cafe Gallery 3 (仮店舗)

 

◎ photos (作品写真)  >>>

◎ photos (会場写真)  >>>

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今回の展示は、高円寺 Cafe Gallery 3 さんの、改築中の、仮店舗(元、美容室)。
2階で、明るい日差しがたっぷりと入り、天井や床に、年月を経た痕跡が残されたままの、変形の、魅力的なスペース。

中心に、小さなテーブル。そこに腰掛け、美味しい飲み物をいただきながら、楽しくお話をしている間じゅう、ボクの作品に囲まれ、色彩に囲まれ、ゆったりとした時間が流れている。外の商店街からのいろんな音や声も、入ってくる。

強烈な日差しの中、いろんな人が、やってくる。3さんの馴染みの人、初対面の人、FBで友達になった人、毎回見に来てくれる人。。不定形な形の色彩に囲まれ、皆さんそれぞれと、いろんなお話をした。
日々のこと、むかし話、他愛もないこと、作品のこと。

みんな、色がきれい、って。 DMはがきでは、印刷では、写真では、スチレンペーパー特有の微やかなキラキラ感は、つたわらない。チューブから出したままの絵の具が、紙に塗るように吸い込まれることなく、ほぼ乗っかっているだけなので、そのままの発色をする。絵の具の粒子の下からキラキラも透けるので、より発色を増す。

スチレンペーパーって、なに?
納豆や魚野菜のパックに使うトレーと同じ発泡スチレン樹脂を、板状紙状に、伸ばしたもの。建築模型、模型飛行機やポップなどに、普通、使われる。

今回は、厚さ1mm、31×64cmのスチレンペーパー、を24枚手元にあったので、全部使った。それを、それぞれ厚さ3mm、44×78cmのものに、貼り付けた。

まず、1枚を、てきとうに、破ってちぎって、破片に分けて、混ぜて、山にしておく。(2枚の場合もあれば、何十枚の破片に分かれるものもある)
アクリル、ガッシュ、水彩、のチューブを、よく混ぜて、山にしておく。
手にとった破片の片面に、たまたま手にとったチューブの色を、塗る。元の一枚のうちの、どの部分かも、表裏もわからない破片に、偶然手にしたチューブの色を、混色しない、生のままで塗る。
その工程は、ちぎって塗るだけの単純作業となり、ちっぽけな自分の意思は、排除される。
一枚分塗り終わったら、元の四角に戻す。パズルのように手こずることも、しばしばある。

その結果、偶然並んだ、思いもよらぬ、意外性たっぷりな、色と形の組み合わせが、出来上がる。出現する。

それを、その偶然の産物を、どれだけ、受け入れることができるか。

そこで、自分の感性の許容範囲の、限界が、試され、検証される。
許容範囲を超えてしまっていると感じるものは、隙間を開けたり、並びを変えてみたりして、なんとか、落ち着くカタチにもっていく。

24枚すべてを展示した。ボツにしたものは、無い。すべてを、受け入れた。

上下左右も、あるようなないような、はっきりとは、決めない、決まらない。壁面に、なんとなく、置いていく。
4日終わった段階で、なんだか、飽きてきたので、一気に8~9割の作品を、向きを逆さにしたり、縦を横にしたり、場所を移動したりした。
バラバラな感じ、偶然な感じが増幅されたように思った。

これらの、色・かたちが、偶然に生まれたものであるということは、ボクが、言葉にし、制作手順などを詳しく解説することで、はじめて気がつくもののようで、あった。
何でこういう色の組み合わせになったのか、普通だったらしないだろうが、という、違和感を持った、と言ってくれた人もいたが、ほとんどの人は、作者が意図した結果の、色彩・かたち、だろう、と思っていたようだった。

今回、はじめて、作者自身が、開始から終了までの、ほぼ全瞬間、展示スペースに居た。 作品の色かたちに囲まれ、作品内容や素材、製作方法や、ココロモチなんかを、尋ねられれば、語り、お茶を飲み、他愛もない世間話やら、むかし話やら、昼間は外光も入り、雑踏の賑わいも感じながら、のんびり、楽しんだ。
みなさん、一般的なギャラリーとは異なって、ゆっくりした時間を、ボクの作品につつまれて、過ごせて、感じて、味わって、いただけたようでした。

時には、オーナー(店主)さんの、3ヶ月になったばかりの、可愛い赤ちゃんの、神々しい瞳・あったかな生命感、柔肌にも触れたり、見つめ合って微笑んだり。(赤ちゃんは、ボクの作品というか、色・形を、不思議そうに、よくよく観てくれていましたよ。)
また、たまたま訪れた、郵便配達、宅配便の人、酒屋さんの配達の人、電気の検針の人も、僅かな時間でしたが、全身に色彩を浴びて、帰って行きました。


・・・そういう、ボクの展示期間中の6日間に起こった、さまざまな出来事のすべて。
それら全体を、ひとつの、「パフォーマンスアート」ととらえることも、できるように、思います。
当然、インスタレーションであり、鑑賞者参加型の、6日間に及ぶ、ひとつの、アート作品。。。

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