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巷房 2010 − Concept

一辺12cmの発泡樹脂板に、日本画用絵の具1,357色を1枚に2色ずつ重ねて塗っていきます。 裏が白いその1,357枚を、部屋いっぱいに天井から吊します。

亡父とのコラボレーション−平成16年に死去した父新山晃司(→ kojiの写生帳) が遺した1000数百色の岩絵の具や箔など日本画用絵の具。
その全てを使用することで、父への供養、亡き父とのコラボレーションができると思いました。。。

きっかけとなった発想・・・・・・

平均的「日本画」の色彩−日本画家であった父が所有していた絵の具全てを使い、いわゆる「日本画」と≒な色彩の様相を観ることができる。
日本の自然の色彩−その色彩の様相は、「日本画」がとらえ、表現してきた日本の自然の姿に≒といえる。
日本画の限界点−基底物(:発砲樹脂)、メディウム(:合成樹脂膠)、展示方法(:インスタレーション)、絵の具のみ従来の「日本画」の素材、という作品が、「日本画」に該当するのかどうか。

制作過程での発想・熟成されてきた内容・・・・・・

2色重ね塗り−ランダムな組み合わせで2色の絵の具を塗り重ねたことによる、出会い、偶然性、関係性。
ランダムに並べられた作品全体の中に現れる偶然性・関係性のリズム−複雑系・カオス・フラクタルに繋がるような・・・。
1枚1枚それぞれが、ひとつの宇宙。。。
表と裏−背中合わせ、虚と実、現実と非現実、有と無、意識と無意識、知と不可知、生と死、此岸と彼岸、この世とあの世。
うすっぺらな現実・不確かな現実、虚構
クリップ・糸−現実の世界を想起させるもの。

供養・・・

・・・父と母。
・・・幼い頃「ニラムシ釣り」に興じて殺してしまった多数のニラムシ。
・・・毎日毎日殺処分されていく何十万頭もの犬猫たち。
・・・数え切れない、不条理な死。
・・・今年1月亡くなった、ギャラリー山口の山口恍子さん。

今、ここに存在している自分
愛おしい平凡な日々
・・・あの世・冥界・並行宇宙との架け橋・入口。

参照・・・「人間はね、天と地の間に立ってすべての生き物のために祈り、その魂を神の国に送る役目があるんだ。
だからすっくと二本足で立ち、意識をもっているのさ」
(アイヌ民族の女性、アシリ・レラの言葉・・・田口ランディ著『宙返りの練習』−アウシュビッツの記憶より)

 

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